- 2025年5月7日
- 子どもの思いを受け止める
- 磐田駅付近の街路に白とピンクのハナミズキが交互に花開き、4月の街路が色鮮やかになり、毎朝の通勤時間は心が和みました。ハナミズキにはイエス・キリストにまつわるエピソードがあり、花言葉の「永続性」「耐久性」は、キリストの忍耐や復活、変わらぬ愛にちなんでつけられ、「逆境に耐える愛」は、成長速度は他の木に比べてゆるやかですが、着実に大きくなり、美しく花を咲かせることに由来すると言われています。また、さまざまな逆境を乗り越え復活したイエス様が、人々に永遠の愛を説いたことが由来という説もあるそうです。
4月は新入園児だけではなく、在園児のお子さんも(職員も)新しい環境の中で出会い、安心して過ごすことができるように、一人ひとりの思いを受け止め、丁寧に関わる中で心と言葉を掛けながら信頼関係を深めていけるように願い、過ごしてきました。今年度は転園されてきたお子さんが数名いらっしゃいます。前園での様子を伺い、スムーズに移行できるように一人ひとり考慮させていただきながら過ごしております。前園の先生が様子を見に来て下さった時のことです。まだ慣れないお部屋で過ごすには不安があり、大好きな絵本コーナーで絵本を見ていたAさん。絵本に夢中でなかなか先生の存在に気が付きませんでした。ふと顔を上げ、先生に気が付くと、「うわぁ~○○先生」と何とも言えない優しい声で言いながら先生の頬を両手で包み込み、鼻と鼻が触れ合う程顔を近づけ、目と目を合わせて喜んだのです。安心できる大好きな先生が今ここにいることを全身で感じていました。しっかりとした深い信頼関係を感じると共に、こうのとり保育園でも安心して過ごせるように関わっていきたいと強く思いました。新しい環境が不安で泣き叫ぶお子さんの思いを受け止め、その子の思いや願いとは何なのかを理解することは容易なことではありません。その子の思いを心と身体で受け止め、あの手この手で探りながら関わっています。その子の見ている世界を探る中で、少しずつ何が好きなのかが見えてきます。歌や電車等、好きな物がヒットすると涙が止まる瞬間が増え、そこから担当保育者に抱っこされるのが少しずつ心地よく好きになり、その子が落ち着いて遊べる環境を用意すると、保育者から少しずつ離れて遊び始めます。少しずつ信頼関係が生まれ、心の安全基地ができ、そこから世界を広げていくのです。これから思いが受け止められることを重ね、やりたいことが満たされる中で、安心感が生まれ、自分に自信をもって世界を広げ、挑戦にも繋がっていくことを願っております。職員の関わりを見ていると、「おしっこ出たね。おむつ替えてもいい?」「お鼻かんでも(拭いても)いいですか?」「そろそろお部屋に入りませんか?」等「あなたはどうしたい?」を聞いています。丁寧に子ども達一人ひとりの話を聞き、伝えたいことを整理することや、共感して思いに寄り添う言葉掛けを私達保育者は心掛けています。子どもの思いを理解するために、毎日の関わりの中で、いつもの様子を熟知する担任同士が連携をし、共有していくことも大切にしております。職員会議では子ども達の様子をドキュメンテーションを基に共有します。4月は「はじめまして」「だいじょうぶ」「よろしくね」「春の自然に癒されて」「おまめくんたちと一緒に過ごした4月」等と題し、子どもの中に4月の一ヶ月の主題が物語る姿を伝え合いました。子どもも大人も、神さまに愛されていることを覚え、心穏やかに歩み進められることを願い、保護者の皆様と共に子育てをしていきたいと思っております。
園長 梶山 美里
- 2025年4月2日
- ご入園、ご進級、おめでとうございます
- 園庭の桜も咲き始め、一年の始まりをお祝いしているかのようですね。
ご入園、ご進級、おめでとうございます。今年度は17名の新入園児をお迎えして全園児132名でスタートします。新入園の皆様におかれましては、初めての園生活でもあり、不安なこともあるかと思いますが、いつでもご遠慮なくご相談してくださいね。ご家庭と協力し合って、心を通わせ、一緒に子育てをしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
在園児の保護者の皆様には、年度末特別保育にご協力いただきましたことを感謝申し上げます。新年度の準備と共に園内研修、ワークショップ等を行わせていただき、聖隷こども園・保育園職員合同研修会では、中遠教会に磐田4園の職員が集まり、キリスト教保育について考える時を持つ事が出来ました。教会に響く讃美歌、中遠教会の牧師兵藤辰也先生のお話、聖隷こども園こうのとり東園長平野春江先生の聖隷の理念と歴史、グループディスカッションを通して、職員一人ひとり、自身の保育を振り返り、愛に気付き、心に大きく響くものがありました。教会で年度末の合同研修会を行えたことに感謝をし、大きな意味を感じました。子ども達一人ひとりが受け入れられていると感じ、神の愛、愛されている自分を実感出来るように、共に育ち、子どもから学び続けられる保育者でありたいと思います。
「はじめの100ヶ月の育ちのビジョン」(こども家庭庁)をご存知でしょうか。妊娠期から小学校1年生までがだいたい100ヶ月。全ての子どもの「はじめの100ヶ月」をみんなで大切にしていきたいと考え、5つのビジョンとしてまとめています。ビジョン2に『「安心と挑戦の循環」を通して、こどものウェルビーイングを高める』とあります。子どもは、不安な時などに身近な大人が寄り添い、気持ちを受け止めてもらう経験を繰り返すことで、「アタッチメント(愛着)」<安心>を得られ、自分や周りの人を信頼していきます。この安心を土台として、様々な子どもや大人と出会い、モノ、自然、絵本、場所などと関わる「遊びと体験」<挑戦>を通して、子どもは自分の世界を広げていきます。乳幼児期の子どもは、遊びを通して、人との心の繋がりや体の感覚など、豊かで幸せに生きるための力をつけていきます。昨年度から園内研究でも学びを重ねている、遊びを通して、何に気付き、何を試し、何ができるようになったのかをしっかり観察し、「今何が育ちつつあるのか」という過程に気付くことに加え、子どもなりのペースやその子らしさに寄り添い、生活や遊びを通して子どもの育ちに必要な経験が得られるような環境(玩具)つくりが出来るように園内研修を組み立てました。4月からの新しい環境の中で、子ども達がどんな遊びと体験を重ねていくのかとても楽しみです。
子ども達一人ひとりの育ちを的確に捉え、継続して子どもを観察し、最初の一歩を踏み出せるよう、健やかでのびやかな育ちを応援し、こうのとり保育園の園児、保護者、職員皆が心と心が通い合っていけるよう保育をしていく所存でございます。
2025年度もどうぞよろしくお願い致します。
園長 梶山 美里
- 2025年3月5日
- センス・オブ・ワンダー
- 2025年2月4日
- 子どもの姿から学ぶ
- 2025年1月6日
- 心の宝探し
『意欲と自己充実の繰り返し』 ~みんな金メダル~
本格的な寒さに冬の訪れを感じる時期になりました。1年の締めくくりの月だからでしょうか、いつにも増して子どもたちの成長を感じ取っている今日この頃です。
先月は皆様のご理解、ご協力の中、無事に幼児クラスのあおぞら広場を開催できました。お忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。心から感謝致します。空模様を心配しながらの開催となりましたが、保護者の皆様の温かい見守りと拍手の中、子ども達が笑顔で楽しみ、力を発揮し、誇らしげに金メダルをかける姿に感動しました。アンケートのご協力もありがとうございました。「見ていて楽しかった、面白かったです」「子ども達の遊びや片づけなど生活の中からヒントを得て競技が考えられていて、年齢にも合っているなと思いました」等、お子様のクラス以外のクラスの競技(遊び)に対する感想が多いことに驚くと共に、日常の保育や当日までの過程があおぞら広場から伝わったことを本当に嬉しく思いました。4月から子ども達と楽しんできた遊びや園庭が人工芝になったことで生まれた遊び、オリンピック・パラリンピック競技から刺激、ヒントを得た遊び等々、今の子ども達の姿を大切に、子ども達と担任とで考え、創られたあおぞら広場。誰よりも担任達が楽しんでいる姿がありました。年長児が長縄に挑戦をしている時の事です。担任が絶妙なタイミングで縄を回しながら「すごい!入るタイミングが掴めたね!」「入る位置が良くなったよ」と一人ひとりに声を掛けていました。跳べた、跳べないで表情が変化する子ども達ですが、この言葉掛けで“もう1回やってみよう“と気持ちを切り替え、挑戦し続けるのです。子どもに就いてもらおうと回す役を私が交代すると、案の定タイミングが悪く跳びにくくなりました。それでも担任と一緒であれば私の下手くそな回し方でも跳べるようになっていくのです。保育者は、子どもの成長に合わせた手だてを行うために、子どもの仕草や言葉、行動の観察を大切にしています。「どこまで出来るのか、どこで躓いているのか、何が原因か」という現状把握と原因志向の視点と共に「成功したのは何が良かったのか、躓きを解消するためにどんな関わりが必要か、今後どうなって欲しいのか」という未来志向の視点で保育を考えています。子どもの姿を分析し、手だてを模索する保育力をフル活用している職員達がそこにはいました。意欲と自己充実の繰り返しが子ども達と担任と共に創り出したあおぞら広場に繋がっているのです。
クリスマスのアドベント(待降節)が始まりました。私達保育者は、神さまの愛の中で子どもの成長を育むお手伝いをさせていただいております。クリスマスの本当の意味を理解し、子ども達と共に過ごす中で、日々の生活の中に神さまがいらっしゃることが子ども達に伝わることを願い、喜びと感謝をもってクリスマスを迎えたいと思います。
園長 梶山 美里
本格的な寒さに冬の訪れを感じる時期になりました。1年の締めくくりの月だからでしょうか、いつにも増して子どもたちの成長を感じ取っている今日この頃です。
先月は皆様のご理解、ご協力の中、無事に幼児クラスのあおぞら広場を開催できました。お忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。心から感謝致します。空模様を心配しながらの開催となりましたが、保護者の皆様の温かい見守りと拍手の中、子ども達が笑顔で楽しみ、力を発揮し、誇らしげに金メダルをかける姿に感動しました。アンケートのご協力もありがとうございました。「見ていて楽しかった、面白かったです」「子ども達の遊びや片づけなど生活の中からヒントを得て競技が考えられていて、年齢にも合っているなと思いました」等、お子様のクラス以外のクラスの競技(遊び)に対する感想が多いことに驚くと共に、日常の保育や当日までの過程があおぞら広場から伝わったことを本当に嬉しく思いました。4月から子ども達と楽しんできた遊びや園庭が人工芝になったことで生まれた遊び、オリンピック・パラリンピック競技から刺激、ヒントを得た遊び等々、今の子ども達の姿を大切に、子ども達と担任とで考え、創られたあおぞら広場。誰よりも担任達が楽しんでいる姿がありました。年長児が長縄に挑戦をしている時の事です。担任が絶妙なタイミングで縄を回しながら「すごい!入るタイミングが掴めたね!」「入る位置が良くなったよ」と一人ひとりに声を掛けていました。跳べた、跳べないで表情が変化する子ども達ですが、この言葉掛けで“もう1回やってみよう“と気持ちを切り替え、挑戦し続けるのです。子どもに就いてもらおうと回す役を私が交代すると、案の定タイミングが悪く跳びにくくなりました。それでも担任と一緒であれば私の下手くそな回し方でも跳べるようになっていくのです。保育者は、子どもの成長に合わせた手だてを行うために、子どもの仕草や言葉、行動の観察を大切にしています。「どこまで出来るのか、どこで躓いているのか、何が原因か」という現状把握と原因志向の視点と共に「成功したのは何が良かったのか、躓きを解消するためにどんな関わりが必要か、今後どうなって欲しいのか」という未来志向の視点で保育を考えています。子どもの姿を分析し、手だてを模索する保育力をフル活用している職員達がそこにはいました。意欲と自己充実の繰り返しが子ども達と担任と共に創り出したあおぞら広場に繋がっているのです。
クリスマスのアドベント(待降節)が始まりました。私達保育者は、神さまの愛の中で子どもの成長を育むお手伝いをさせていただいております。クリスマスの本当の意味を理解し、子ども達と共に過ごす中で、日々の生活の中に神さまがいらっしゃることが子ども達に伝わることを願い、喜びと感謝をもってクリスマスを迎えたいと思います。
園長 梶山 美里