棚橋 雅幸 部長
当科では、evidenceに基づいた最新の治療をおこなうことを基本とし、患者さん、ご家族に、手術あるいは治療の目的、方法、予測される結果を充分に説明し理解していただいてから治療をおこなっています。インフォームドコンセントの充実には力を入れており、患者用クリニカルパスにより多くの情報を提供し、少しでも不安を取り除くようにしています。
クリニカルパスは、入院中の治療や検査等、標準的なスケジュールをご説明した経過表です。
現在当科で実際に使用されているクリニカルパスについてはこちらをご覧ください。
現在当科で実際に使用されているクリニカルパスについてはこちらをご覧ください。
- 肺癌の拡大手術
- パンコースト肺癌のアプローチ法
- 肺癌に対する胸腔鏡下手術
- 肺癌に対する術前、術後化学療法
- 肺癌検診の有用性
- 中枢気道狭窄に対する内視鏡的治療
- 縦隔腫瘍手術
- 胸腺腫治療
- 重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術
- 手掌多汗症に対する胸腔鏡下交感神経焼灼手術
肺癌、自然気胸、膿胸、結核、感染性肺疾患、肺真菌症など胸腔鏡手術を中心におこなっています。
縦隔腫瘍、重症筋無力症、胸部外傷、手掌多汗症
縦隔腫瘍、重症筋無力症、胸部外傷、手掌多汗症
氏名 | 職位 | 卒年 | 専門領域・認定医・専門医 |
---|---|---|---|
棚橋 雅幸 | 部長 呼吸器センター長 | 1993年 | 日本呼吸器外科学会専門医 日本外科学会認定医/指導医/専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医/専門医 日本呼吸器学会指導医/専門医 日本がん治療認定医機構認定医/暫定教育医 肺がんCT検診認定機構肺がんCT検診認定医師 臨床呼吸機能講習会臨床呼吸機能基礎コース修了 臨床研修指導医講習会修了 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 |
鈴木 恵理子 | 医長 | 1998年 | 日本呼吸器外科学会専門医 日本外科学会専門医 日本がん治療認定医機構認定医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医/専門医 がん医療に携わる医師に対するコミュニケーション技術研修会修了 |
吉井 直子 | 医長 | 1999年 | 日本呼吸器外科学会専門医 日本外科学会専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医/専門医 日本がん治療認定医機構認定医 がん医療に携わる医師に対するコミュニケーション技術研修会修了 |
渡邊 拓弥 | 医長 | 2010年 | 日本外科学会専門医 日本呼吸器外科学会専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 肺がんCT検診認定機構肺がんCT検診認定医師 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 ICLSコース修了 胸腔鏡手術講習会(ドライラボ)受講 臨床研究の基礎知識講座修了 ロボット支援手術認定資格 |
喚田 祥吾 | 医師 | 2016年 | ACLSインストラクター JATECコース修了 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 日本医師会産業医 |
土田 浩之 | 医師 | 2016年 | がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 |
井口 拳輔 | 医師 | 2018年 | |
中村 みのり | 医師 | 2019年 |
2021年4月1日現在
呼吸器外科専門医4名、後期研修医4名で構成されるチーム。専門医がそろっており高度な手術と緻密な周術期管理が可能で、胸腔鏡手術、進行肺がん拡大手術、高齢者手術などに質の高い医療を提供してきた。2018年に安全かつ低侵襲で質の高い手術を目指し肺悪性腫瘍、縦隔腫瘍に対するロボット支援手術を導入した。肺がんを含めた年間手術件数は毎年350~400例にのぼり,非常に豊富な手術経験がある。2018年の肺がん手術数は161件、気胸46件、炎症性肺疾患25件、転移性肺腫瘍17件、縦隔腫瘍23件であった。症例数が多く呼吸器外科医のみでなく麻酔医、看護師、呼吸理学療法士も治療、ケアに精通している。術前から呼吸理学療法、栄養指導を行い、多くの職種が参加したチーム医療を実践し、術後合併症の発生を最低限に抑えるよう努めている。また日本人の高齢化に伴い、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などの合併症を有する患者さんも増加しており、循環器科、脳卒中科、内分泌代謝科、リハビリ科など他の診療科とも協力して術後の合併症予防を図っている。
肺がんを疑う患者さんには正確な病期診断を行い最適な治療法を選択するため、気管支鏡検査(EBUS-TBNA、EBUS-GS)やPET検査などにより、腫瘍ならびに縦隔リンパ節転移の評価を実施している。
I、II期の患者さんには手術を第一選択とし胸腔鏡手術、ロボット支援手術を施行している(年間約100例)。I 期の患者さんのなかでもCT、PETで非浸潤性小型肺がんと考えられる場合には、根治性を確保しつつ肺機能を温存する縮小手術を提案している。胸壁浸潤肺がんや隣接臓器浸潤肺がん、縦隔リンパ節転移肺がんなどの局所進行肺がんに対しては化学療法、放射線療法、外科治療を組み合わせた集学的治療を行い予後の向上を目指している。また当院は気管支鏡治療も数多く実施しており、肺がんによる気道狭窄がみられる患者さんには硬性気管支鏡下に腫瘍を切除し、全身状態の改善を得たのちに根治術を行っている。
最近いくつかの新しい抗がん薬が開発されたが、肺がんに確実な効果を示す薬剤はまだない。しかし特定の患者さんには効果を示す抗がん薬が存在することは事実で、いかにその薬剤をみつけだすかということが大きなポイントとなる。分子標的薬であるEGFR-TKIやALK阻害剤では,特定の遺伝子変異が抗腫瘍効果に関与している。さらに免疫チェックポイント阻害薬では腫瘍のPD-L1タンパクの発現が効果予測に有用であることが判明している。当科では手術検体を用いてそれら遺伝子変異やタンパク発現の検索を患者さんの状況に応じて提案している。
肺がんを疑う患者さんには正確な病期診断を行い最適な治療法を選択するため、気管支鏡検査(EBUS-TBNA、EBUS-GS)やPET検査などにより、腫瘍ならびに縦隔リンパ節転移の評価を実施している。
I、II期の患者さんには手術を第一選択とし胸腔鏡手術、ロボット支援手術を施行している(年間約100例)。I 期の患者さんのなかでもCT、PETで非浸潤性小型肺がんと考えられる場合には、根治性を確保しつつ肺機能を温存する縮小手術を提案している。胸壁浸潤肺がんや隣接臓器浸潤肺がん、縦隔リンパ節転移肺がんなどの局所進行肺がんに対しては化学療法、放射線療法、外科治療を組み合わせた集学的治療を行い予後の向上を目指している。また当院は気管支鏡治療も数多く実施しており、肺がんによる気道狭窄がみられる患者さんには硬性気管支鏡下に腫瘍を切除し、全身状態の改善を得たのちに根治術を行っている。
最近いくつかの新しい抗がん薬が開発されたが、肺がんに確実な効果を示す薬剤はまだない。しかし特定の患者さんには効果を示す抗がん薬が存在することは事実で、いかにその薬剤をみつけだすかということが大きなポイントとなる。分子標的薬であるEGFR-TKIやALK阻害剤では,特定の遺伝子変異が抗腫瘍効果に関与している。さらに免疫チェックポイント阻害薬では腫瘍のPD-L1タンパクの発現が効果予測に有用であることが判明している。当科では手術検体を用いてそれら遺伝子変異やタンパク発現の検索を患者さんの状況に応じて提案している。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
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肺疾患 | |||||
肺悪性腫瘍 | 179 | 196 | 223 | 181 | 179 |
原発性肺癌 | 156 | 174 | 193 | 161 | 159 |
転移性肺癌 | 21 | 20 | 24 | 17 | 17 |
肺良性腫瘍 | 6 | 9 | 5 | 1 | 6 |
炎症性肺疾患 | 22 | 28 | 28 | 25 | 19 |
自然気胸 | 40 | 47 | 63 | 46 | 70 |
胸膜疾患 | 9 | 16 | 23 | 17 | 25 |
中皮腫 | 0 | 1 | 1 | 1 | 3 |
膿胸、その他 | 9 | 15 | 22 | 16 | 22 |
縦隔疾患 | 24 | 17 | 16 | 23 | 25 |
胸腺腫、悪性腫瘍 | 5 | 8 | 7 | 11 | 8 |
嚢腫、その他 | 19 | 9 | 9 | 12 | 17 |
胸壁、横隔膜疾患 | 7 | 4 | 5 | 5 | 5 |
気管、気管支 | 4 | 10 | 8 | 4 | 5 |
外傷 | 3 | 1 | 2 | 1 | 0 |
経気管支鏡手術 | 17 | 14 | 13 | 20 | 7 |
その他 | 55 | 37 | 46 | 35 | 41 |
総計 | 366 | 379 | 432 | 358 | 382 |