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眼科



2010年10月8日現在

科の紹介

部長 尾花明

部長 尾花明

《患者の方へ》
視覚は外界から得られる情報の80%以上をしめるといわれます。そのため、視力や視野を失うことはその人にとって大きな問題です。当科は皆様の生活の質を守るために、常に診療技術の向上と医療機器の整備をはかり、高度な医療を必要とされる重い眼病でお困りの方に、少しでもお役にたてるようにスタッフ一同努力しています。
 一方、昨今は医療費の上昇や医師不足などの問題が大きく報道されています。人口の高齢化により医療に求められる役割は今後さらに大きくなることを考えますと、できる限り無駄のない効率的な医療を、医療の受け手側と提供側が協力して築かなければなりません。そのために当科では病診連携(たとえば、聖隷病院の医療を必要とされる方に当科で診断と治療を行い、病状が安定した段階でかかりつけ医院等にお戻りいただく)による役割分担を推し進め、待ち時間の短縮と重症例への対応を図りたいと考えています。以上のことから、外来診療は原則としてすべて予約制です。

《初めて受診される方へ》
初めて受診される場合は紹介状が必要です。お近くの医院やかかりつけ医師の紹介状をご持参ください。その際には紹介元の医師またはご自分が当院地域医療連絡室に連絡して初診予約をお取りください。

《再診ご希望の方へ》
あらかじめ決められた予約の日時にお越しください。予約を変更される際には眼科外来にお電話の上、再度予約を取り直してください。


《医師・医療機関の方へ》
 当科は眼科全般を対象疾患としています。その中で、加齢黄斑変性症については火、金曜午後の眼底専門外来、斜視神経眼科疾患については水曜午後の斜視神経眼科専門外来で診療にあたっています。また、月2回ぶどう膜炎外来(水曜午後)、月1回網膜色素変性症外来(水曜午前)を開設しています。
初診には紹介状が必要ですので、患者に持参させてください。また、ご紹介時には地域医療連絡室に電話で診察予約をお取りください。予約がない場合は待ち時間が長くなります。なお、眼瞼疾患(霰粒腫、内反症、眼瞼下垂など)、涙器疾患、腫瘍、眼窩疾患は眼形成眼窩外科が担当いたしますので、そちらにご紹介ください。
 新薬治験や臨床研究を常時行っております。なかでも、黄斑色素密度の測定(共鳴ラマン分光装置、自家蛍光装置を使用)は当科の特長で、黄斑色素と各種疾患の関係を研究しています。患者さんにはこれらにご協力をお願いする場合がありますことをご了承ください。
昨今の医師不足解消のためにメディカルクラークの導入などが注目されていますが、当院では以前からスタッフの整備を進め、2010年4月時点の外来スタッフは、看護師2名、視能訓練士7名(内2名はフォトグラファー)、OMA2名(内1名はフォトグラファー)、メディカルクラーク7名、受付5名です。検査員が多いため医師は診察に専念し、眼科検査を行うことはありません。クラークが診察介助、各種検査案内や予約を行い、主な手術説明もあらかじめビデオ化することで効率的な診療を心がけています。当科の診療にご興味のある方の見学をいつでも歓迎しています。


対象疾患と診療内容

白内障手術
水晶体が混濁するためにかすみがかかったように見えます。加齢に伴うもの以外に、糖尿病、アトピー性皮膚炎、眼球打撲などいろいろな原因で起こります。治療はある程度進行した時点で手術を行います。通常の超音波白内障手術では2.2mm幅の切開創からアクリル性フォーダブル眼内レンズを挿入します。
入院手術か、外来手術(通院手術)かは原則として患者様のご希望で決めていただきます。ただし、病状や全身状態によってご希望に添えない場合もございますので、ご了承ください。
加齢黄斑変性症
網膜の中心を黄斑と呼びますが、この部位の神経が障害される病気です。50歳以上の方に起こり、症状は視野の中央部分の影や物が歪みます。滲出型(脈絡膜新生血管を伴い出血や浮腫を生じるもの)と萎縮型(新生血管は見られないが神経が萎縮するもの)の2つの病型があります。ハイデルベルグ網膜撮影装置HRA-2や光干渉断層計により診断技術が向上しました。滲出型の治療は、血管内皮増殖因子阻害剤(抗VEGF剤)の硝子体内注射、光線力学的療法(PDT)、レーザー光凝固などを病状にあわせて選択します。また、複数の治療を組み合わせる場合もあります。抗VEGF剤の開発により視力予後は改善されましたが、いまだ難治症例もあります。早期発見と早期治療が重要です。萎縮型にはルテインサプリメントや遮光眼鏡をお勧めしています。
 火曜、金曜午後に専門外来を開設しています。
斜視・神経眼科
両方の目の向きが一致しない状態です。乳幼児では弱視(眼鏡をかけても視力が上がらない)の原因となりますので、早期発見が重要です。
斜視手術は原則として全身麻酔で行います。また、眼形成眼窩外科との共同で外傷などによる難治性眼球運動障害の治療も盛んです。
未熟児網膜症は適切なレーザー治療により重症例は減少していますが、将来的に斜視・弱視をきたす症例もあり、定期的な観察を行っております。
水曜午後に専門外来を開設しています。
網膜剥離
硝子体の収縮により網膜裂孔が形成され、その裂孔から網膜の裏側に硝子体液が流入して網膜が眼球壁から剥がれる病気です。長期間放置しますと増殖硝子体網膜症に至って治りにくくなりますので、早期発見と早期治療が必要です。硝子体が収縮した時に生じる症状が飛蚊症(細かな粟粒の様なものが見える)や光視症(視野の端の方に稲光の様なものが見える)ですので、それらの症状が起これば注意が必要です。
周辺部の裂孔原性網膜剥離には網膜冷凍凝固・排液・プロンベ縫着術による裂孔閉鎖術を行います。比較的大きな裂孔や深部裂孔、複数裂孔などでは硝子体手術を行います。硝子体手術はほぼ全例を25ゲージシステムで行っています。
黄斑円孔・網膜前膜
加齢に伴って黄斑に穴があく病気が特発性黄斑円孔です。更年期以降の女性に多く、視野の真ん中が黒く見えます。内境界膜剥離を併用した硝子体手術により治療成績は良好です。網膜前膜は黄斑部の網膜表面に薄い膜ができる病気で、物が歪んで見えます。硝子体手術で膜を剥がし取ります。
糖尿病網膜症
糖尿病では全身の小さな血管が障害されます。網膜毛細血管が壊れると網膜出血や浮腫を起こします。進行すると毛細血管は閉塞しますが、この段階で治療を行わずに放置しますと増殖糖尿病網膜症に至ります。この状態では網膜新生血管や虹彩新生血管とよばれる異常血管ができて、眼内に大出血を生じたり、新生血管緑内障を起こし失明に至る可能性が高くなります。
 糖尿病と診断されたら、目の症状がなくても定期的な眼底検査を受けましょう。また、医師の指示に従って蛍光造影検査やレーザー治療を受けて、病気の進行を遅らせる努力が必要です。内科的な血糖コントロールや脂質代謝異常、血圧の管理も重要です。
黄斑浮腫
網膜静脈閉塞症や糖尿病網膜症などに合併して、黄斑部に滲出液が溜まる状態が黄斑浮腫です。神経のむくみのために視力が下がります。残念ながら確実な治療法がなく、さまざまな試みがなされています。当科でも格子状レーザー光凝固、硝子体手術、トリアムシノロン注射、抗VEGF剤(アバスチン)硝子体内注射などの可能性を症例ごとに検討しています。また、ある種の抗VEGF剤については臨床治験を行っています。
緑内障
眼球の形によって開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に分けられます。眼内に房水と呼ばれる液体が貯留して眼圧(眼の硬さ)が上がる病気です。眼圧の正常値は10~21mmHgですが、日本人には眼圧の上がらない正常眼圧緑内障が多いです。緑内障の初期には自覚症状はなく人間ドックなどで発見されます。進行すれば視野の一部(主に鼻側が多い)が見づらくなります。失われた視野は回復しませんので早期発見が重要です。
眼圧を下げる点眼薬の発展が目覚しく、手術を回避できる症例が増えています。点眼は決められた使用法を守ることが重要です。症状がないからといって、いい加減にしないようにしましょう。点眼以外にも選択的トラベクロプラスティーというレーザー治療があります。点眼やレーザーでコントロールできない場合は手術を要します。
ぶどう膜炎
身体の中に原因がある内因性ぶどう膜炎と感染や薬剤などが原因の外因性ぶどう膜炎があります。内因性の原因疾患には、サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病、リウマチ、リンパ腫などがあります。一時はほとんど忘れられた結核も最近、少し増加しています。原因疾患ごとに他科と共同で診療に当たります。たとえばサルコイドーシスでは呼吸器内科、ベーチェット病では膠原病内科などです。
ステロイド治療が主になりますが、免疫抑制剤を使用する場合もあります。最近、ベーチェット病では分子標的薬による治療も開発されました。
1,3週水曜午後に専門外来を開設しています。
網膜色素変性症
網膜視細胞(杆体細胞、錐体細胞)が徐々に変性萎縮する遺伝的疾患です。視野の周辺部が見づらくなったり、暗所で見づらく(夜盲症)なります。近年、遺伝子に関する研究が盛んですが、残念ながら根治療法はいまだありません。光による障害を受けやすいことから、遮光眼鏡、帽子、ルテインサプリメントなどをお勧めします。
月1回水曜午前に専門外来を開設しています。
黄斑色素密度の測定
黄斑に存在するカロチノイド色素である黄斑色素と加齢黄斑変性との関連が指摘されています。当科では、わが国で唯一の眼底カメラ型共鳴ラマン分光装置を用いた加齢黄斑変性症の色素量結果を発表しました。現在はサプリメントの黄斑色素と視機能に及ぼす効果や白内障手術後の黄斑色素変化を研究しています。巷ではサプリメントが大きく宣伝され効能がうたわれていますが、サプリメントの効果に関する科学的な裏づけと副作用研究はいまだ十分とはいえません。当科の臨床試験は効果を科学的に研究するもので、多数の患者さまのご参加をお待ちしております。


検査と治療の特色

特殊検査・高度先進医療


ハイデルベルグレチナアンギオグラム2(HRA-2)フルオレセイン蛍光造影検査ICG蛍光造影検査
光干渉断層計(OCT-3)多局所ERG黄斑ERG
光線力学療法経瞳孔温熱療法近見反応測定装置トライイリス
レーザーフレアセルメーターグレア・コントラストテスター眼内内視鏡
眼底ワイドビューシステム


診療と手術実績

2010年度 手術件数



2010年度 レーザー治療件数



2010年度 研究業績


種類件数
著書4
学術論文(和文)1
学術論文(英文)1
総説等6
学会指定講演8
学会一般講演9
その他講演会2
学会、講習会座長2
メディア発表7
40


医師の紹介

役職氏名出身校卒業年
部長オバナアキラ
尾花 明
大阪市立大学医学部
大阪市立大学大学院医学研究科
1983年
1987年
略歴
1987年 大阪市立大学医学部 助手
1990年 独国 ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン 眼科病院
1992年 大阪市立大学医学部 講師
1999年 同 助教授
2001年 大阪市立大学大学院医学研究科 視覚病態学助教授
2003年 浜松医科大学光量子医学研究センター 光化学治療研究部門
(現:メディカルフォトニクスセンター応用光医学研究部門)客員教授
専門領域・認定医・専門医
専門:加齢黄斑変性等の網膜硝子体疾患、黄斑手術
日本眼科学会眼科専門医
浜松医科大学光量子医学研究センター光線力学治療研究部門客員教授
日本レーザー医学会評議員
日本光線力学学会幹事
眼科酸化ストレス研究会世話人
ラマン研究会代表
日本眼科学会会員、日本眼科手術学会会員、日本眼循環学会会員、日本網膜硝子体学会会員
米国眼科学会会員、The Association for Research in Vision and Ophthalmology会員

役職氏名出身校卒業年
主任医長ゴウト ユウコ
郷渡 有子
大阪市立大学医学部
大阪市立大学大学院医学研究科
1993年
1998年
略歴
1998年 大阪市立大学大学院医学研究科 視覚病態学助手
2001年 米国 カリフォルニア大学アーバイン校 眼科
2003年 大阪府立身体障害者福祉センター附属病院 眼科
2004年 聖隷浜松病院
専門領域・認定医・専門医
専門:眼科一般、白内障
日本眼科学会眼科専門医
日本眼科学会会員、日本レーザー医学会会員、日本光線力学学会会員、ラマン研究会会員
米国眼科学会会員、The Association for Research in Vision and Ophthalmology会員

役職氏名出身校卒業年
医長ニシムラ カスミ
西村 香澄
浜松医科大学1998年
略歴
1998年 浜松医大附属病院
1999年 共立湖西総合病院
2001年 成田記念病院
2004年 浜松医大附属病院
2005年 静岡県立こども病院
2006年 聖隷浜松病院
専門領域・認定医・専門医
専門:斜視・弱視、小児眼科、白内障
日本眼科学会眼科専門医
日本眼科学会会員、日本神経眼科学会会員、日本斜視弱視学会会員、日本小児眼科学会会員

役職氏名出身校卒業年
医師ヒガキ マサヒコ
檜垣 正彦
東京医科歯科大学2004年
略歴
2004年 伊東市民病院
2006年 自治医科大学
2008年 共立湊病院
2011年 聖隷浜松病院
専門領域・認定医・専門医
眼科一般
日本眼科学会眼科専門医

役職氏名出身校卒業年
非常勤医師ホッタ ヨシヒロ
堀田 喜裕
順天堂大学医学部1983年
略歴
 
専門領域・認定医・専門医
浜松医科大学眼科教授
日本眼科学会眼科専門医

役職氏名出身校卒業年
非常勤医師タケウチ イクコ
竹内 郁子
東京女子医大1989年
略歴
2005年 聖隷浜松病院
専門領域・認定医・専門医
専門:ブドウ膜炎
日本眼科学会眼科専門医

役職氏名出身校卒業年
非常勤医師コジマ ヒロアキ
小島 啓彰
浜松医科大1993年
略歴
 
専門領域・認定医・専門医
日本眼科学会眼科専門医

役職氏名出身校卒業年
非常勤医師ノジマ カズトシ
野嶋 計寿
島根大学2007年
略歴
2007年 浜松医科大学
2009年 聖隷浜松病院
専門領域・認定医・専門医
眼科一般


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