終活ってご存知ですか?
私事ですが、家で飼っていた愛犬が、16年と2ヵ月で先月末、この世を去りました。亡くなる一週間前から母親が、病院に1日2回連れて行き、点滴をしてもらっていました。しかし亡くなる2日前、獣医師から「これ以上続ける治療はないです。今後治療をどうするか家族で考えて下さい。会わせたい人がいたら、早めに会わせた方がいい」と言われ、母親は「この子は先生に見放された」と嘆いていました。私は医療者なので、人間にも同じ事を言うなと、先生の言うとおりだなと感じましたが、『見放された』と感じる人もいるのも事実なのだろうなとも思いました。
医療者の言葉って難しいなと、日々感じるのですが・・・・。皆さんは『終活』という言葉を聞いた事があるでしょうか?終活とは、人生をどのように終わらせるかということを考える活動の事を言います。先日淡路市主催のイベントで、終活についての劇が行われ、当院からも看護師とリハビリスタッフが出演しました。
私も見せて頂いたのですが、笑いあり、涙あり、そして考えさせられるものでした。
自分のもしもの時に、どういう対応をしてもらいたいか?家族に自分の気持ちを知っておいてもらう。家族はどう思っているのかを知る。そんな機会を皆さんは持っていますか?最初に愛犬の話しをしましたが、医師に「これからの治療をどうするか?」と尋ねられたら、医師にしっかり思いを伝えられるように、事前に準備しておく事は、残される者にとっても、悔いの残らない人生になるのではないでしょうか?
「まだいいか」ではなく、「今から少しずつ」考える時間を作りませんか?
まずは、〈自分のもしもの時、どうしてもらいたいか?〉を、少し考えてみて下さい。皆さんで、自分らしい人生を送るために、幸せな最期を迎えるために、終活始めませんか?
5階病棟