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「聖隷」80年への思い  小羊学園 稲松義人 氏

「聖隷」80年への思い         小羊学園 稲松義人


外部の方たちと話しをしていると、小羊学園のことを話しているのに、今でもよく先方から「聖隷さんは・・」と言われます。「小羊学園は聖隷(福祉事業団)の施設ではありません」と説明してもうまく理解してもらえないこともあります。最近では、以前の「聖隷福祉事業集団」という表現は、「聖隷福祉事業団」との違いが紛らわしいこともあり、「聖隷集団」とか「聖隷グループ」ということが多いようですが、グループといっても、企業グループのような経営上の特別な関係があるわけではありませんし、加盟するとか調印するとか、お互いの関係を確認するような手続きをしたわけでもありません。実際、グループに属しているからといって何らかの義務を負っているわけでもありません。ですから、どこまでを「聖隷グループ」と見るかということについても、それぞれの法人施設で見解の相違があるのではないかと思います。

それでも、小羊学園も歴史的な側面からみて「聖隷」との浅からぬ関係があって今があるということは間違いありません。ですから、小羊学園もそのルーツをたどると80年前の聖隷の創業につながっていると思っています。さらに、私自身は外部の方たちから「聖隷」だといわれて、社会的な責任主体(法人組織)として違いを説明することはあっても、自分たちが「聖隷」とは無関係であるとはっきりと否定してこなかったのも事実です。それは、私自身がキリスト者であることがあるのかも知れませんが。

「聖隷」という名称は「聖なる神さまの奴隷」という意味だと聞きます。しかし「神さまに仕える仕事」「キリスト教社会事業」といっても、今は日本のキリスト教施設、学校などのほとんどは、実際に働く職員の多くがキリスト者ではありません。聖隷福祉事業団においてもそうでしょうかが、小羊学園においても全く同じです。にもかかわらず、「聖隷」の名称に何らかの思いをもちつつ歩んできたのは、明確な位置づけはしてこなかったけれども特別な意味を感じてきたからだと思います。

医療にしても福祉にしてもあるいは教育にしても、実際の営みにおいては、科学的に最先端のもの、つまり人の知恵の最高のものを取り入れようとする努力が必要です。しかし、何のためにそれをなすのかということになると、科学だけでは十分に説明できないところに行きつくように思います。自分の生活のために働く、あるいは自己実現のために働くというのももちろんあるのでしょうが、私たちはそれ以上の意味を自分たちの仕事にもちたいと願っているような気がします。ひょっとすると毎日の生活の中では忘れてしまっていてあまり意識に上ることはあまりないかも知れません。それでも、私たちは人間の知恵を超えた、いつの時代にも揺らぐことのない深い意味を求めているのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

「聖隷」という名称は、組織的に見て一つではないからこそ、捉えかたに曖昧さがあるからこそ、そんな魅力のある「意味」を感じさせる響きがあるような気がします。「聖隷人」という表現があります。さすがに小羊学園の職員一人ひとりは「聖隷人」という自覚には欠けるかも知れませんが、仕事をしながら「聖隷」とのつながりを知るようになるときに、自分たちの仕事は、大きな志と使命につながれていることを自覚するようになることはできるような気がします。

一つの組織として大きくなっていく「聖隷」にはおのずと限界はあるでしょう。しかし今や、広い視野で私たちが生かされている世界を見るときに、政治と経済、環境問題、人口問題等々、地球的なスケールで混迷を極めているように思われます。全人類の知恵を駆使して新しい時代へ向けて、問題解決への道を求めなければなりません。しかし、私たちがこれまでそうしてきたように、自分の目の前にある小さな一つの命に向き合って生きようとすることからはじまる実践から、私たちの思惑を超えて次の時代に一筋の光を示すことができるのではないだろうかと思っています。小羊学園でも今後自分たちが大きく展開していく仕事に連なっていることを誇ることのないように注意したいと思います。しかし、大いなる永遠の世界につながる使命に連なっているという喜びと誇りは忘れたくないと思っています。80年は一人の人間のスケールからすると長い歴史ですが、私たちの生きる社会の歴史からすると一通過点に過ぎません。

聖隷の歴史が、90年、100年、200年と刻まれていくことを祈念しつつ、ともに喜びの輪に入れていただきたいと願っています。


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