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画像診断部

職場の概要

画像診断部は、一般撮影、TV検査、CT、血管造影、MRI、RI、放射線治療の各部門により構成されています。各部門に専門性の高い放射線技師を配置することにより、短時間かつ質の高い検査を目指し業務をおこなっています。

業務内容

一般撮影

一般撮影

一般撮影では、X線を読取装置に照射することで写真を作成します。X線は『物質を通り抜ける性質を持った見えない光』のようなものです。X線は物質を通り抜ける際にその物質に吸収されます。骨や臓器や軟部組織などのX線の吸収差によって生じるコントラストを利用し、白黒の写真を撮影します。撮影装置に到達したX線が多いほど写真上では黒くなります。例えば、肺は吸収が少ないのでX線が通り抜けやすく、黒っぽく写ります。逆に、骨はX線を吸収しやすいため、白っぽく写ります。以上が一般撮影の仕組みです。

X線撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)システムと、従来のCR(Computed Radiography)システムを使用し、質の高いX線写真を提供しています。
FPDはCRシステムに比べ被ばく線量が少ないことが大きな特徴であり、最大で約50%の被ばく線量の低減が可能となりました。
また、現像作業がなくなり、検査時間が短くなることや、骨折時などはフィルムの入れ替えによる苦痛を伴うことのない検査が可能であることも特徴です。

ポータブル撮影

ポータブル撮影とは、病室などに回診用撮影装置というレントゲン撮影装置を運び撮影を行うことをいいます。
当院は、病棟用3台、OPE室に各2台、院内ICU・救急室に各1台の計7台のポータブル装置を有しています。ポータブル撮影にも一般撮影と同様に、FPD(Flat Panel Detector)と呼ばれる最新の撮影装置を使用しています。

マンモグラフィ撮影

当院のマンモグラフィ検査は、最新の撮影機能であるトモシンセシス(DBT:Digital Breast Tomosynthesis)を搭載した撮影装置(FUJI FILM社製 AMULET Innovality)を使用しています。従来の撮影では、乳腺組織の重なりによって隠れて見つけにくかった病変も、トモシンセシスによって詳細に観察することができ、より見つけやすくなりました。また、患者様が安心して検査を受けていただけるよう専用の待合室も整備しております。
撮影する際には、圧迫板で乳房をおさえさせていただきますので、痛みを伴う検査となります。しかし、しっかりと圧迫をさせていただくことでよい写真が得られ、さらに放射線の被ばくを少なくすることが可能となります。
撮影装置は、日本乳がん検診精度管理中央機構が定める「マンモグラフィ検診 施設・画像認定」を取得しており、「検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師」を取得した技師を中心に、すべて女性の技師が撮影を担当させていだいております。
ご質問・不安なことがございましたら、撮影担当技師にお気軽にお尋ねください。

マンモグラフィー

専用の待合室

マンモグラフィー

AMULET Innovality

X線TV検査

日立社製:VersiFlex VISTA

日立社製:VersiFlex VISTA

X線透視装置(写真右)を用い、TVモニタ-にて透視診断をする検査です。必要に応じてX線写真の撮影もおこないます。

一般的に良く知られているTV検査としては、健康診断などでおこなわれる胃のバリウム検査や大腸の検査(注腸)があり、経験されている方も数多いかと思います。その他にもX線透視を用いる検査は幅が広く、緊急時の対応にも備えています。TV室3部屋を疾患別に運用し、最適な検査をおこなえるよう対応しています。

体外衝撃波結石破砕治療

ストルツメディカル社製 モデュリスLX-F2

ストルツメディカル社製
モデュリスLX-F2

対外衝撃波結石破砕装置とは、腎・尿管にできた結石を砕く治療のことで、当院では体に傷付けずに体外から衝撃波をあてることにより結石を細かく砕き、尿と一緒に排泄させています。

血管造影撮影・血管内治療

血管造影検査(ANGIO)とは、頭部から四肢まで全身を対象に、カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の血管から体内に挿入し、造影剤を注入しながらX線撮影することにより、血管の形態や血流状態を把握し、病変を診断する検査です。また同時に、血管内超音波(IVUS)・光干渉断層装置(OCT)を併用した血管内の精度の高い観察や、組織の生検、血管内圧の検査等も行っています。血管内治療とは、血管の狭窄や閉塞に対するバルーン、ステントを用いた血管形成術、血栓の溶解やフィルターの挿入、出血に対する塞栓、腫瘍に対する高濃度の抗がん剤の注入や塞栓、不整脈に対するペースメーカー挿入術・高周波を用いた心筋焼灼術(アブレーション)など多岐にわたります。

最新鋭の機器Philips社製 Allura Xper FD20/20、島津社製 Trinias Type B12、SIEMENS社製ARTIS pheno、手術室等でも使用可能な移動型血管撮影装置SIEMENS社製MobileART M442の4台稼働しています。

ハイブリッド手術室とは、血管撮影装置を手術室内に設置することで、外科的な直達手術と血管内治療を複合的に行える手術室です。2017年12月からSIEMENS社製ARTIS phenoが導入され、床置式8軸型ロボティックアームを駆使して、あらゆる角度からのアプローチにより様々な手術に対応します。従来機種の4倍の解像度での透視・撮影や、術中のCTライク3D画像の高速撮影などの機能を備えており、最先端の手術を安全かつ迅速に行えます。

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)
:冠動脈完全閉塞症の治療例

径カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)
:大動脈弁狭窄症の治療例

CT撮影

Aquilion Prime



2021年3月より、最新型320列CT装置Aquilion ONE/NATURE (キヤノンメディカルシステムズ製)が稼動致しました。
【ポイント① 多列CT】 
320列CTの最大の利点は、0.275秒で1回転のスキャンを完了し、かつ160mmを一瞬で撮影できる点です。 例えば、脳や心臓検査においては、ベッドを移動させることなく、1回転で撮影しますので、患者さんに対して大幅な負担軽減が可能となります。
【ポイント② AI技術】
AI(ディープラーニング再構成)とは、CT画像からノイズ部分を分析し、低減する新しい技術です。これにより、従来のCT画像と比較して、圧倒的な画質向上が行えます。そのため、従来に比べて、少なくとも50%以上の被ばく低減が行えます。
【ポイント③ アプリケーション】

金属ア-チファクト低減

新しいリアルな表示方法

核医学検査

Discovery NM630 SP

多くの画像診断は、人体にX線を照射し透過したX線の差を画像にすることで、骨や臓器の主に形態を診断します。核医学検査は、微量の薬剤(放射性医薬品)を注射し、細胞の代謝によって目的の臓器に取り込まれる特性を利用し、身体から放出する放射線を高感度のカメラで撮影し画像を作ります。
X線検査は形態的な診断であることに対し、核医学検査は身体の代謝を反映した機能検査です。シンチ、またはシンチグラフィと呼ばれています。
3~4名の放射線技師が検査を担当しています。
使用装置は2台あり、心臓専用装置Ventriと2018年3月にDiscovery NM630に更新されています。検査時間を短縮し、患者さんへの負担を最小限に抑えるとともに、臨床に有用な診断情報を速やかに提供できるよう高画質な画像を目指したSPECT装置です。
当院で行われている代表的な検査としては、「心筋シンチ」と「骨シンチ」があります。その他に脳の血流を評価する「脳血流シンチ」、全身の炎症などを評価する「ガリウムシンチ」、腎臓の形態、機能を評価する「腎シンチ」、認知症診断を目的とした「黒質線条体シンチ」(ダットスキャン)など多くの検査を行っています。
さらに新しい取り組みとして、2017年6月から神経内分泌性腫瘍の診断を目的とした「ソマトスタチン受容体シンチ」(オクトレオスキャン)、2017年8月から去勢抵抗性前立腺癌に対する塩化ラジウム223(Xofigo)による内用療法を始めています。

MRI撮影(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)

GE社製1.5T装置1台、PHILIPS社製1.5T及び3.0T装置の計3台が稼働しており、4~5名の診療放射線技師が検査を担当しています。夜間当直帯も主に急性期脳梗塞を疑う患者様に対して緊急検査を行っています。2017年4月に導入されたIngenia Prodiva 1.5T CX(PHILIPS社製)は、当院で世界初の臨床検査が行われ、最新のアプリケーションを搭載し、MRI検査特有の騒音を静音化する技術や、短時間で高画質な画像を提供しています。

Ingenia Prodiva 1.5T CX

MRI検査でよく撮影される頭部・椎体などはもちろん、MRI検査で苦手とされる頚部~胸部の撮影や全身のMRI検査も高画質かつ短時間で行える最新装置です。

MRI検査は非常に強い磁気を利用し、検査時間は20~40分ほどかかります。下記の内容に該当する方は、検査の制限または検査を受けることが出来ない場合がありますので御了承下さい。該当する方は事前の問診時に主治医・外来にお知らせ下さい。
1. 心臓ペースメーカーや刺激電極を身につけている方
2. 脳動脈クリップ・人工関節・冠動脈ステント等、体内金属のある方
3. 刺青を入れている方
4. 妊娠中、または妊娠の可能性がある方
5. 乳児・幼児の方、安静を維持することが困難な方、閉所恐怖症で狭い場所が苦手な方
MRI検査は、患者様のご協力があって初めて成立する検査です。患者様一人ひとりに、安心・安全な検査を提供いたします。

救急撮影

救急撮影とは、急性期の病態にある患者様に対して、CT検査や一般撮影検査を行うことです。救急診療における画像診断は、低侵襲に客観的患者情報を短時間に提供する有用な手段として広く用いられています。特にMDCT(multi-detector row CT)の普及と画像処理の進歩によってその重要性は増しています。
当院でも2016年9月にGE社製のMDCT(64列)装置Revolution EVOが導入され、心不全に対する心臓CT検査や、クモ膜下出血に対する頭部CTA等が行えるようになりました。また、心臓CT検査は必要に応じて大動脈、肺をみることもできるので、大動脈瘤、大動脈解離、肺血栓塞栓症などの診断にも役立ちます。
私たち診療放射線技師は、「救急撮影認定技師」を中心に迅速且つ適切な画像を安全に提供することにより、救急医療チームの一員として機能しています。

骨密度検査

GE社製 PRODIGY Advance

GE社製 PRODIGY Advance

GE社製 PRODIGY Advance
骨密度測定検査とは、骨粗鬆症の診断を目的に微量のX線を利用して骨の密度を測る検査です。
当院では2013年3月に新しい装置へ更新しました。
新しい装置では、より少ないX線量で正確な検査を短時間に行うことができます。

新しい装置の特徴
1. 短時間で高画質、低被ばく、高精度な検査をおこないます。
2. 通常の骨密度計測に加え、大腿骨の硬さを調べることができます。
3. 全身の骨密度、脂肪量および筋肉量を調べることができます。
4. 定期的に検査をおこなうことで、以前の結果と比較することができます。

放射線治療

2018年10月より、旧装置の更新を行い、高精度放射線治療機VersaHD(エレクタ社)を導入しました。高精度放射線治療機Novalis Tx(ブレインラボ社)と2台体制にて放射線治療の提供しており、いずれの装置においても高精度な治療に対応出来るようになっております。

2台の装置には、それぞれ特徴的な機能を有し部位による使い分けが行われています。

Novalis Txは、高精度画像誘導システムと微細なビーム射出部開口部しぼり(マイクロマルチリーフ)を統合した放射線治療機で、3種類の画像誘導装置を備え、治療寝台上で体表の動きを赤外線で、骨格の動きをX線透視画像で、内部臓器の動きをCT横断像で把握し、コンピューター計画時との誤差を0.1mmの精度で位置座標を算出できます。算出したずれをロボット寝台が毎回、自動的に補正し精密な治療を実現します。特に、頭部の定位放射線治療において高い性能を有しています。

VersaHD

VersaHDは、光学式体表面モニタリングシステムにより治療位置情報をリアルタイムに取得し、治療計画どおりの体位の再現および治療中の動きに対応ができます。Agilityと呼ばれるマルチリーフコリメータは40cmのビーム射出口に5mm幅のマルチリーフが160枚搭載され非常に広範囲な強度変調放射線治療を行い、リーフの高速駆動やリーフ間の漏洩線量が少ない設計のため重要臓器へ配慮した治療が可能となります。
両装置とも、頭部のみならず全身の腫瘍に対し高精度放射線治療(定位放射線治療、強度変調放射線治療:IMRT,回転強度変調放射線治療:VMAT、画像誘導放射線治療:IGRT)が可能となります。患者様に優しい精度の高い治療を実施していきます。

学会等実績

2022年度

・Deep Learning Reconstruction法を用いた低線量肺がんCT検診における位置決め画像装置の影響と最適化
 日本CT検診学会誌 Vol.29 No.3

・Investigation of Appropriate Imaging Protocol in Dynamic Chest CT Imaging
 第78回日本放射線技術学会総合学術大会

・補正値を用いた据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置における線量管理システムの検証
 第78回日本放射線技術学会総合学術大会

・フレキシブルタイプヘッドコイルの定量評価
 第78回日本放射線技術学会総合学術大会

・整形外科手術における術者水晶体被ばく線量と防護眼鏡の効果に関する検討
 第26回 静岡県放射線技師学術大会

・Spectral Scanを用いたDual Energyの使用経験
 第13回静岡CT研究会

・新しい再構成法による低線量肺がん検診への適応
 日本CT検診学会夏季セミナー2022

・循環器動画ネットワークシステムによる物品管理システムの構築         
 第63全日本病院学会

・DIBH照射の運用 ~計画CTから照射までの工夫や課題を交えて~
 東海放射線腫瘍研究会第60回技術部会

・Dual Energy Metal Artifact Reduction for Iodine-125 Seed Identification of Prostate Brachytherapy Planning
 The 108 Scientific Assembly and Annual Meeting of the Radiological Society of North America

・VersaHDを使用した治療計画装置Eclipseのコミッショニング経験
 日本放射線腫瘍学会第35回学術大会

・透視検査における面積線量計を用いた線量評価
 第14回中部放射線医療技術学術大会

・育児休業取得の経験から
 第14回中部放射線医療技術学術大会

・RSNA2022 ハイライト
 日本放射線技術学会 中部支部CT研究会

・シンポジウム「AI時代を迎えたCT検診:抑えておきたい環境整備の基礎知識」肺がんCT検診認定技師の立場から考える課題と解決策
 第30回日本CT検診学会学術集会

・Dual Energy によるI-125密封小線源治療ポストプランの金属アーチファクト低減
 Japan Orthopedic Imaging Network Team 11th meeting

・My BOOKMARK~本当に使いやすい製品がこの中に~循環器専用DICOM動画サーバを利用した血管撮影装置の線量管理システム
 Rad Fan Vol.21 No.1

・特集1 RSNA2022 REPORT 演題数の多さが象徴する”Photon-counting CT”への期待
 Rad Fan Vol.21 No.2

2021年度

・"三次元画像解析システムによる肺切除術前CT angiographyの描出精度 -画像再構成法の違いが自動抽出に及ぼす影響-"
 日本放射線技術学会誌 Vol.77 No.11

・CT装置を用いた骨盤計測撮影の検討
 第25回 静岡県放射線技師学術大会

・法改正に伴う当院の工夫点や取り組み
 第16回遠州CT懇話会

・当院における腸管拡張の実際
 大腸CTネットフォーラム 

・前立腺癌(シード挿入後)
 画論 29th The Best Image

・体表面光学式トラッキングシステムを使用した深吸気呼吸停止下乳房照射の検討
 日本放射線腫瘍学会第34回学術大会

・左乳房照射におけるCone-beam CT収集角度の検討
 日本放射線腫瘍学会第34回学術大会

・新画像処理エンジンの適応部位拡大における従来画像処理との比較検討
 第37回日本診療放射線技術学術大会

・4D-Flowによる肺動脈幹の血流評価
 日本診療放射線技術学術大会

・密封小線源治療におけるDual Energy CTの有用性
 第13回中部放射線医療技術学術大会

・4D-Flowに於ける至適VENC値の検討
 第13回中部放射線医療技術学術大会

・線量管理・最適化プロジェクト2021.検診施設における線量管理
 Rad Fan Vol.19 No.12

2020年度

・任意型胃がん検診における患者照射基準点での線量評価
 日本消化器がん検診学会誌 Vol.58 No.4

・低線量肺がんCT検診における位置決め画像撮影の線量評価
 日本CT検診学会誌 Vol.27 No.2

・Optimization of Different Scattered Radiation Correction in a Spinal Digital Radiography
 第47回日本放射線技術学会総会学術大会

・救急部門における教育カリキュラムの構築
 第23回日本臨床救急医学会総会・学術集会

・Comparison of SENSE versus Compressed SENSE 4D flow using pulsating fluid phantom
 第48回日本磁気共鳴医学会大会

・体表面光学式トラッキングシステム使用時における乳房照射用固定具の検討
 日本放射線腫瘍学会第33回学術大会

・救急外来における診療放射線技師の役割とは
 第23回日本救急医学会中部地方会総会・学術集会

・低線量肺がんCT検診における位置決め画像撮影の撮影方向と撮影条件の違いにおける線量評価と本撮影への影響
 第28回日本CT検診学会学術集会

・マンモグラフィ検査における医療安全の取り組み
 静岡県放射線技師会 乳腺画像部会