呼吸器内科
概要
当科では、日本呼吸器学会専門医資格を持った医師2名を中心に充実した診療をおこなっております。具体的には、気管支喘息、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺癌、各種肺感染症などがあります。
気管支喘息
吸入ステロイド療法を中心に、他の治療と併用して診療に当たっております。発作時など緊急時にも対応し、必要があればすみやかに入院できるなど、万全の体制で臨んでおります。通常の外来では在宅でのピークフロー測定による喘息管理を行っており、患者さんには喘息日記をつけて頂いております。難治性気管支喘息にも対応し、最新治療である抗IgE抗体療法も行っております。近年、アレルギー性鼻炎を合併される方も多く、当院耳鼻咽喉科とも連携しながら治療を行っております。専門のアレルギー内科はありませんが、長年、気管支喘息の治療に取り組んでおり、今後とも医師と患者さんが一体となって診療に取り組んでいく所存です。
COPD
肺気腫を主体とする病気で喫煙が大きな原因となっている病気です。今後、増えていく病気ですが、どういう病気か一般の方にはあまり知られていません。少しでも息切れがある方や喫煙歴のある方はお気軽に受診してください。当科では胸部レントゲン、胸部CT、肺機能検査などを行い、COPDの診断をしています。重症度や症状に応じて、薬物治療を行い、必要があれば薬物治療以外に在宅酸素療法(HOT)、在宅非侵襲的人工呼吸療法(NIPPV)なども積極的に取り入れています。さらに呼吸リハビリや禁煙指導(後述)も行っております。
リハビリ入院
当院ではCOPD主体ではありますが、COPDに限定することなく慢性呼吸不全患者さんに対して包括的リハビリ入院を行っております。胸部CTや肺機能検査さらに心臓機能検査、睡眠時無呼吸検査、生活習慣病のチェックなどの各種検査を行い、呼吸不全の重症度を多角的に評価します。入院中は理学療法士が細かく呼吸リハビリの指導を行い、さらに管理栄養士による栄養指導、薬剤師による服薬指導、看護師による生活指導を行います。在宅酸素導入や在宅人工呼吸器導入の際は、メディカルエンジニアによる指導、ソーシャルワーカーの介入などあらゆる面で患者さんのサポートを行います。最終日には主治医(永川)による病気の解説を患者さんの検査結果に照らし合わせながら、30分以上かけてスライドを使ってご説明致します。ご希望があればご家族の方との解説も可能です。
禁煙指導
当院では保険診療にて、禁煙指導を行っております。禁煙補助薬(チャンピックス:商品名)を使って、積極的に禁煙指導を行っており、はじめは2週間ごとに通院していただきます。COモニターを使って禁煙の具合を評価し、看護師とともに患者さんの禁煙のお手伝いをしております。最近では女性の喫煙者の方も増え、どうしてもやめられない方はお気軽にご相談ください。医師ならびに女性看護師が禁煙のサポートをいたします。
肺癌(診断)
気管支鏡検査、内科的局所麻酔下胸腔鏡検査、CTガイド下肺生検などの各種検査を行っております。PET検査なども、ゆうあいクリニック(新横浜)に依頼し、最新の機器による診断にも対応しております。また、今年から院内に病理科が新設され、気管支鏡時の迅速診断にも対応しております。
肺癌(治療)
手術療法が可能な場合は当院呼吸器外科に依頼します。放射線治療施設がないため、放射線療法は他施設と連携して行っております。抗癌剤治療(化学療法)に関しては、当院では腫瘍内科はありませんが、院内の化学療法委員会で承認された標準的な治療を行っており、今後とも腫瘍内科の先生方の手を煩わすことなく抗癌剤治療を継続していく所存です。また、外来での抗癌剤治療も行っており、副作用が出現したときはすぐに入院対応できるなど常に万全の体制で臨んでおります。
当院での化学療法治療薬
カルボプラチンを主体に、パクリタキセル、ジェムザール、ペメトレキセド、アムルビシン、CPT-11、ドセタキセル、ビノレルビン、TS-1(商品名)などです。
当院での分子標的治療薬
イレッサ(商品名)、タルセバ(商品名)、アバスチン(商品名)
肺癌(緩和)
不幸にして進行した場合でも、当院、緩和ケアチームおよびペインクリニック科と連携し、最大限の緩和療法(痛みなどの苦痛を最小に抑える)を行っております。 近隣の開業医の先生方とも連携しており、在宅ケアも充実しております。抗癌剤治療が出来なくなってしまった時も、主治医が最後まで責任を持って最大限のケアを行っていきます。
※他院治療中の患者さんでの新規受け入れは行っておりません。
間質性肺炎(診断)
間質性肺炎は病型診断が難しく、治療のタイミングが難しい病気です。また肺癌の合併も多く、定期的な受診が必要な病気でもあります。そのため、胸部レントゲン特に胸部CTによる詳細な診断が必要です。当科では間質性肺炎を専門とする当院放射線科医師と週に一度カンファランスを行っており、常に画像のダブルチェックを行っております。検査は気管支鏡による肺生検、気管支肺胞洗浄を行っております。また、胸腔鏡による肺生検が必要な場合は呼吸器外科に依頼し検査を行っております。
間質性肺炎(治療)
安定している場合は、定期的な外来通院で様子をみます。増悪傾向があれば、ステロイド治療や必要に応じて免疫抑制剤による治療を行っております。ただし、安定期でも間質性肺炎の種類によっては、ピレスパ(商品名)とよばれる抗線維化剤による内服治療も行っております。
肺炎
外来で抗生剤の内服だけで対処できる軽症の肺炎から呼吸困難を伴うような重症肺炎まで迅速に対応させていただいております。ARDS(急性呼吸窮迫症候群)に対しても、人工呼吸管理のみならず腎臓内科と連携しCHDFやPMXなどの透析治療にも対応しております。院内の感染対策委員会にも参加し、積極的にサーベイランス活動にも協力しております。肺炎球菌ワクチンの接種も行っておりますので、希望される方は遠慮なくご相談ください。
結核
当院では結核病床がなく、喀痰から抗酸菌が検出され、遺伝子検査で結核と診断した場合は、すみやかに結核専門施設へご紹介しております。それまでの間、入院にて対応しなくてはならないときは、他の患者さんへの感染を防ぐために個室対応となります。また、スタッフにN95マスクの着用を徹底し感染対策も行っております。なお、排菌してない患者さんに関しては4剤ないしは3剤内服の標準治療を6ヶ月から18ヶ月前後の期間、保健所と連携しながら行っております。
肺結核後遺症
以前に肺結核を患い現在は活動性のない患者さんです。慢性呼吸不全を呈することが多く、必要があれば在宅酸素、在宅人工呼吸器を導入します。また、状況によってはリハビリ入院していただき、包括的治療を行うことも可能です(前述、リハビリ入院参照してください)。
入院時の喀痰検査
当院では肺に陰影があるか、結核の既往がある場合は、他の患者さんへの感染拡大を避けるため、全例、入院時喀痰検査を施行しております。この検査で陽性の場合は、遺伝子検査の結果、結核菌の感染が否定されるまで個室対応となります。また、差額ベッド代が発生することがありますのでご了承ください。
非結核性抗酸菌症
近年、中高年以上の女性を中心に増加している病気です。結核の類縁菌ではありますが、感染性が低く隔離の必要はありません。症状が安定している場合は、外来で経過をみます。症状がある場合や増悪傾向のある場合は、3剤程度の内服薬で2年以上内服するかまたは手術療法を検討します。当院では呼吸器外科が非結核性抗酸菌症の手術療法に精通しており、全国的にも屈指の手術件数と治療経験を有しております。週に一度、呼吸器外科とカンファランスを行い総合的に評価、治療しております。
気管支拡張症
咳や痰などの症状が出ます。通常は去痰薬やマクロライド系抗菌薬を使用して様子をみます。二次的感染をおこしやすく、その都度適切な抗生剤を使用します。ときに、血痰などの症状もみられます。血痰に対しては止血剤などで様子をみますが、入院が必要な場合もあります。また、血管をふさぐ治療(気管支動脈塞栓術)や外科的治療も行うこともあります。当院では呼吸器外科が気管支動脈塞栓術や外科的治療に精通しており、必要な際はすみやかにご紹介致します。
肺真菌症
種々の真菌による肺感染症です。特に多いのが、肺アスペルギルス症と呼ばれるものです。必要があれば、抗真菌薬の治療を行います。抗菌効果が期待できない場合は、呼吸器外科と相談し手術することがあります。
気胸
当院では、基本的に呼吸器外科が対応します。重度の肺合併症がある場合は当科で内科的にみる場合もあります。
サルコイドーシス
肺の中のリンパ節が腫れたり、間質性肺炎を合併したりします。ぶどう膜炎や不整脈を合併することがあり、眼科や循環器内科と連携して診療することがあります。病状が悪化した場合はステロイド治療を行います。
肺血栓塞栓症
当院では循環器内科が対応します。
肺高血圧
原発性といわれる原因不明のものに関しては、専門施設へご紹介しております。また、呼吸不全が原因で生じる二次性のものは循環器内科とも連携し利尿剤や酸素投与などで治療します。
睡眠時無呼吸症候群
当院では耳鼻咽喉科が対応します。また心不全を伴う睡眠時無呼吸症候群に関しては循環器内科で対応します。
誤嚥性肺炎
脳梗塞後遺症などで寝たきりの高齢者の方に多い病気です。当院では内科系医師が中心となってみますが、難治性の場合は当科も協力し、コンサルトを受けるなどして主治医の先生をサポートしております。
最後に
当院は日本呼吸器学会認定施設となっております。呼吸器外科、放射線科の医師と頻繁にカンファランスを行いながら、診療に努めております。また総合病院である強みを生かし、他科とも連携をしながら患者さんの診療を多面的に行っております。初めのうちは症状が軽くても、重症化しやすいのが、呼吸器系の病気の特徴です。 無理をせず、お気軽に当科を受診してください。
スタッフ紹介
| 氏名 | 役職 | 医籍 |
|---|---|---|
| 永川 博康 | 部長 | 1996年 |
| 岡田 徹 | 医長 | 2002年 |
| 青山 眞弓 | 医長 | 2002年 |
| 小西 建治 | 医長 | 2001年 |
| 安積 隆 | 専修医 | 2008年 |
実績
| 2006年度 | 2007年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 気管支鏡件数 | 75件 | 57件 | 86件 | 89件 | 97件 |
| 胸腔鏡検査 | 6件 | 5件 | 5件 | 1件 | 2件 |
| 経皮肺生検 | 3件 | 4件 | 5件 | 3件 | 4件 |
| 気管支動脈造影・塞栓術 | 3件 | - | - | - | - |
| 化学療法件数 | 40件 (※11月~3月) | 136件 | 163件 | 309件 | 271件 |
(注)気管支動脈造影・塞栓術は、呼吸器外科にて行っております。








